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趣意書

【医療連携システムの必要性】

平成15年6月より長崎医療センター、大村市医師会、大村市立病院の各代表者による地域医療の質向上を目的とした『地域連携ネットワークシステム構築の検討会』を開催し議論を重ねてきた結果、基幹病院に紹介した患者さまの診療情報をリアルタイムに参照するシステムを考案した。
このシステムにより実際に行われた医療行為とそのアウトカムを迅速、正確、詳細に把握することができ、紹介元施設におけるより適切な高度医療の理解と詳細な患者説明が可能となり、今まで以上の信頼と安心を与えうる。

一方で利用施設の医師が最新の診断・治療法を容易に知りえることもメリットであり、効果的な学習効果も得られる。 基幹病院では診療内容の公開による監視効果が期待される。

以上よりこのシステムに多くの病院、診療所、医師が参加することにより地域医療の質向上が可能となる。

【システム概要】

国立病院機構長崎医療センターの電子カルテシステムにアクセス用サーバーを設置し、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)技術によって暗号化した診療情報をインターネット経由で診療所や中核病院から参照可能とする。
接続対象は『大村市立病院』、『大村市医師会会員医療機関約30ヶ所』、『長崎県離島医療圏組合中核病院9ヶ所』であるが、今後、各診療所、医療機関、医師会に呼びかけ大村市立病院の病院情報システムなどの診療情報提供側および閲覧側の施設を広げていく。

【地域医療連携ネットワークが地域医療にもたらす効果と将来性】

このシステムの利用によって、診療所と中核病院との連携は強調され、かかりつけ医と患者さまの信頼関係は増すと考えられるが、各診療所が所有していない高度医療機器に対しても中核病院で診療に用いる全画像情報がオンラインで利用できるため、物理的に距離ある診療所においても院内同様の診療が可能となる。
同時に地域における医療機器整備の重複や検査の無駄を省く可能性も考えられる。診療の全過程が正確に把握できるので最新医療を容易に理解することができ、その学習効果は従来の研究会や学会参加型に比べはるかに高いと考えられる。
多くの地域医療を担う医師が利用することにより地域医療の質を向上させる最良のツールと期待している。

一方、今回のネットワーク構築を「一地域・一患者・一診療情報」の第一歩として考えており、廉価な導入コストで構築することによって、多くの施設にVPN機器による安全な情報ネットワークを広めることも目標の一つである。
将来的に地域診療情報サーバーセンターや臨床検査センター、放射線画像検査センターなどが実現されれば、医療機能の分担と細分化によって 『医療圏をもって一病院と成す』ことが可能となり、今回のシステム自体がネットワーク環境の基盤となるはずである。

以上を踏まえ『長崎地域医療連携ネットワークシステム』を構築するに至った。